アルロースに関する世界中の研究データを集めて整理しました。
血糖値を下げる可能性や、脂肪燃焼への働きなど、さまざまな健康効果が注目されています。
日々の「甘いものとの付き合い方」が、変わるかもしれません。
研究論文に基づいたデータを、ぜひご覧ください。
目的
少量(30g以下)のフルクトースおよびそのエピマー(アルロース、タガトース、ソルボース)が、炭水化物を含む食事に対する食後の血糖およびインスリン反応に及ぼす影響の証拠を統合すること。
対象者
炭水化物を含む食事の前または同時に30g以下のフルクトースまたはそのエピマーを摂取した被験者。総試験比較数は40件で、被験者数は400人。
試験方法
MEDLINE、EMBASE、Cochrane Central Register of Controlled Trialsを使用し、ランダム化(RCT)および非ランダム化の急性単食対照摂食試験を収集。アウトカム指標として、グルコースおよびインスリンの曲線下面積(iAUC)、松田インスリン感受性指数、早期インスリン分泌指数を評価。データは平均比(RoM)で表し、逆分散法を用いて統合。エビデンスの確実性はGRADEを用いて評価。
試験期間
データ収集の検索は2019年4月9日まで。
結果
アルロースは食後のiAUCグルコース反応を10%有意に減少させた(0.90 [0.84〜0.96], P < 0.01)。
タガトースは食後のiAUCインスリン反応を25%有意に減少(0.75 [0.62〜0.91], P < 0.01)し、食後のiAUCグルコース反応を3%減少させた(0.97 [0.94〜1.00], P = 0.07)。
フルクトースには、いずれのアウトカムにも有意な影響は見られなかった。
エビデンスの確実性は、フルクトースで低から中等度、アルロースで中等度、タガトースで低と評価された。
結論
少量のアルロースとタガトースは、フルクトースに比べて食後のグルコースおよびインスリン反応をわずかに改善する可能性がある。この改善の持続可能性を確認するためには、長期的なランダム化比較試験(RCT)が必要である。
参考文章
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0261561420301047